今回は家で楽しく過ごすためのおすすめの本を紹介します。


 家で楽しむおすすめ読書の4冊目 

みなさん、そろそろ読書が習慣になって来たのではないですか?
寝る前に数ページ読まないと眠れない?あるある。数ページのつもりが明け方まで読んでた?あるある。

今回お勧めする本は、吉村昭の『漂流』です。
吉村昭は2006年に亡くなった作家で、作品を書き上げるために現場、証言、史料をとても綿密に調査する作家として有名でした。
そのため作品は記録小説と呼ばれるほどです。
代表作は『戦艦武蔵』『関東大震災』などドキュメント色が強めと思います。

シンプルかつ怖い表紙

シンプルで怖い表紙

『漂流』は江戸時代の一人の漂流者の記録に基づいて書かれた小説です。
絶海の無人島で12年サバイバルした男に何があったのか、幕府や藩の取り調べ記録と、同時代の漂流事件の資料などから書き上げられたお話です。
映画なら「この物語は事実を基にしている」と冒頭かラストに出るやつですね。


 吉村昭『漂流』 

あらすじも何も、船乗りたちが嵐に遭って難破、無人島へ漂着して12年サバイバルするだけのお話です。

サバイバルするだけと言っても、この手のお話ではその多くが「人間同士の争い」にお話のテーマがあったりするものですが、この『漂流』では基本的に人間VS自然のままお話は進んでいきます。それもどんどん話は進んでいきます。自然も時間も冷酷非情。

猫が寄り付く本は名著と古来言われている

猫が寄り付く本は名著と古来言われている

湧き水も川もない、岩場ばかりで植物もほぼない小さな火山島で、どうやって12年も生き残るのか。
日本の孤島なので、南国の島のようにヤシの木が生い茂ってココナッツが採れるような島ではないのです。
フィクションであれば、都合の良い出来事が重なって主人公優遇制度により生還するのでしょうが、これは実話ベースです。
どう生き残るのでしょう。もう読んで確かめるしかないですね。

ときどき小説の中にさまざまな漂流事件の調査報告と言えそうなエピソードが挿入されていて、著者の吉村昭っぽさが出ています。
それらエピソードの漂流者たちはだいたい死んでいるので、この生還を果たした男が稀有な才能の持ち主だったことがより強調されています。

漂流事件が元になった本は、本人の書いた漂流記の様な本も含めて何冊か読んでいますが、スティーブン・キャラハンの『大西洋漂流76日間』と並んでこの『漂流』が絶望的状況からの生還譚として是非お勧めしたい一冊です。勇気が出ますよ。

都合よく水なんか湧いていない岩島です

やはりkindle版が安い


 コロナウイルス状況記録のプチ日記.24 

今日は2020年の5月19日です。

昨日から長野から岐阜のあたりで地震が頻発していて、群発地震というやつのようです。30年前に枯れた温泉からお湯が噴き出したとかニュースになっています。震度4程度ならまだ何とかなりますが、避難が必要な規模の地震が今来たらと思うと恐ろしいです。避難所でどうコロナ対策をするのか、話題には何度かなっていますが具体案はまだ見たことがありません。我々アウトドア好きは各々アウトドア用品を駆使して数週間サバイバルできるかもしれませんが、地域の老人たちはそうもいかないでしょう。地震も台風も今年は来ないでほしいですね。

山梨ではなぜか感染者が3人増えて60人になりました。気の毒に小さなお子さんも含まれていたようです。軽症のまま完治してほしいですね。
それにしても収束ムードかと思ったら急に3人増えるとは。まだまだ油断してはいけないようです。  -なちょ