今回は、カーバイド(カーバイト・アセチレン)ランプを使ってみた記事です。
もくじ
・カーバイド・アセチレンランプって何
・カーバイトランプを使ってみた
カーバイド・アセチレンランプって何
以前、河口湖ニューブリッヂキャンプ場でキャンプをした時にも少し触れた、友人が持ってきた謎のランプがカーバイドランプです。

この時は火炎放射器みたいになった
存在自体まったく知らなかったので調べてみました。
1900年頃から使われ始めたランプで、炭鉱や自動車のライト、洞窟調査や漁業に利用されていたそうです。
剥き出しの炎を灯りにするので、粉塵爆発やガス引火の危険性から炭鉱で使われなくなり、電気灯が現れてからは完全に廃れてしまったようです。
洞窟探検では、煤(スス)がよく出る性質から目印の作成に使われていたとか。
今や完全に電気灯やLEDに取って代わられ、国内では製造も流通もなくなってしまいました。

燃料のカーバイド。硫黄臭がある石。
燃料はカーバイド(炭化カルシウムの石)と水。
使い方の伝承すら失われつつあり、このままだとロストテクノロジーになりそうです。
なぜか手元にあるので、当時と同じように使ってみることにしました。
カーバイトランプを使ってみた
まず、前回よりちょっと綺麗になった本体がこれ。

反射板を磨かれて少し綺麗になったカーバイトランプ
前回の使い方(石に熱湯をぶっかけて蓋をする)は完全に間違っていた。
よく事故にならなかったと感心するくらいの話ですよ。

ランプの下部が燃料を入れるところ
今回はちゃんとやりますよ。

カーバイトを入れたところ。量は少なめにした
燃料のカーバイドの量は少なめに。
なぜなら一度水と反応させはじめたらガスの発生を止められないから。
こんな不便なものをどう使ってたのだろう。

ランプ上部は水を入れるタンクになっている
ランプ上部の水タンクには底に小さい穴があいていて、ランプてっぺんのつまみで下に落ちる水の量を調節できるようになっている。
上下に動く爪楊枝で水漏れ穴をふさいでるだけの単純な構造。
カーバイトランプのつかいかた
1.石を入れる
2.水を入れる
3.火をつける
フタをして、水をカーバイトに垂らし始めるとすぐにシューッと気化してる音が聞こえてきた。
よし、 着火してみよう!
あぶな。※危険行為と判断されたのかyoutubeから削除されました
しっかりとランプの上下が閉まってなかったようで、ガスが漏れてた。
すごく燃えやすいガスがバンバン発生しているのがわかる。
もう一回。ちゃんとフタ閉めなおして。
今度は成功。
すごく明るい。
炎自体の大きさはロウソクくらいの時でも、明るさはLEDランタンより明るいくらい。

炎が安定した。すごく明るい。
これは燭台持って歩くより全然明るい。
ただ、真横に炎が伸びることがあって、
たぶん水が一滴落ちた時に反応してガスが勢いよく出るからなんだけど
こうなる↓
水が落ちるたびにボーボー伸びる。
これで本当に正しい使い方なのだろうか。
それと、炎の先からすごく煤が出ている。近くにある物は真っ黒になりそう。
少量のカーバイトしか入れていなかったけども2時間くらいは火がついていた。
燃え尽きた後のカーバイト石は、パッサパサのふわふわになっていた。

パサパサの石灰のようになっている。水は残らない。
不思議。
「石に水をかけると明るく燃えるガスが出る」って、なんだかファンタジー世界の物理学のように感じる。
理系の人からしたら不思議でも何でもないのかもしれないけど。
ランプというよりトーチみたいな、過去の遺物になりつつあるロマンあふれるランプ。
アウトドアで使うには湿気がダメなのがネックかな。ちょっと雨降ったら石からガス出てそうだもの。すぐ爆発ですよ。

これが世界中で現役の時代があったのか
でも、100年経ったらLEDだって同じように言われているかもしれないね。
こんな危ないものを使っていたなんて信じられない!みたいな。
カーバイト・アセチレンランプをおそらく正しい使い方と思われる方法で使ってみた記事でした。
今回はこのへんで。