今回は、中華テントを購入した時に経験した、嬉しいような怖いようなお話です。
いつもより文字多めです。


 中国メーカーのテント購入の話 

おととし友人から「1万円で買った中華4シーズンテントが嘘みたいに良いから、騙されたと思って買ってみて」という連絡がきました。
「気に入らなかったら買い取る」とまで友人が推し推しで言うので、怪しみつつも言われるままにAmazonで1万円だして注文してみました。

これがそのESNBIA 2~4人用 4シーズンテント

翌日届いたそのテントは、5万円くらいのブランドものテントと同じとは言いませんが、見栄えが悪くなくてびっくりしました。
中華メーカーと聞いてイメージするチープさがあまりないのです。触れた感じも良い素材感でした。
ペラペラでもない。要所が安プラスチックでもない。ジッパーもスムーズ。

さっそく庭で試し張りしてみて、よく調べているとアレレ。ちょっと問題が。
ボタンの取り付けを間違えたのか、内部の小物ポケット(スマホいれたりする程度のやつ)が使えない状態でした。
つまり、テントとしては問題なく使えるにしろ、ちょっとした不良品だったのです。
使えなくもないけど不良品だったよ、とAmazonを通して発売元に伝えたところ、1時間もしないうちにメーカーから返事が。
「いますぐ新品を送ります。お手元の不良品はお客様の方で処分されるか、そのまま所持してくださって結構です。我々にラストチャンスをください」
2日後(!)届いた新品テントは、今度は何の問題もない同じテントでした。

夏はフライシート無し

夏はフライシート無しで涼しく快適に使えた

このテントを秋のソロキャンプで実際に使ってみたところ、すこぶる快適に使える実に良いテントでした。
1万未満のテントでスカートまでついてるんです。
ポールを通す箇所がメッシュ加工されている点など、各所の工夫も利用者の便利を考えたものでした。
内部の暖かさも「真冬も使える4シーズン」は誇張かもしれないですが、ウソではなかったです。
本格的な登山には持って行こうとは思いませんが、キャンプ場なら十分すぎる性能だと思いました。

ポール

テントポールの通しがメッシュなのが地味に嬉しい
布だと引っかかって破けやすい(経験者)

この購入からの一連の出来事を振り返って、僕はちょっと恐ろしくなりました

※ここからは僕の妄想です。
もしかすると、中華メーカーは有名ブランドのテントと同じ素材を仕入れて(同じ工場の可能性すらあるかもしれない)、素材はハイブランドと遜色ないものを用意している。
職人や作業工程は、腕前や出来に多少ムラがあったとしても安く多く揃えている。そのため不良品の発生が一定数予想されるが、検品を積極的にはせずに、それは買った顧客にクレームの形でやらせている。(今回の僕のように!)
新品を1つ余計に送る程度のコストは、全商品の不良品チェックのコストと、不良品回収・処分コストに比べたら安いものでしょう。
そしてクレーム対応と連絡だけは24時間体制で迅速丁寧にこなす。それで通販サイトのレビューはおおむね満足の評価になります。
※妄想終わり

この僕の妄想が現実にちょっとでも近いとしたら、
これでは一つ一つ丁寧に商売してる国産ブランドでは、いずれ勝てなくなるのではないかとゾッとしました。
ネット通販では中国メーカーは安価なので購入者数が多く、それがレビュー人数の数字として目に見えます。
「不良品が来たけど対応早いし良かったですよ」などと書かれるレビューが500件、平均で星4個とかついていたりするわけです。
国産ハイブランドのレビュー件数は17件とかです。しかも高いだけに辛辣な意見が多かったりして。
ネット通販がさらに一般化していく今後どうなってしまうのか。

高価な有名ブランドをネームバリューで好む層は確かに存在するでしょうが、いずれ変な付加価値を付けてさらに高価にしていくしかなくなるのではないか。かつてのオーディオ系メーカーの二の舞になったらどうしよう。
世界経済の雲行きがあやしい今後、世の中の流れがコスパ重視に流れて行ったらどうなるか。

富士山

毎日使う物じゃないから高いものにしたい
毎日使う物じゃないから安いものにしたい

そんな妄想をしながら僕はまた別のテントをポチりそうになっているのでした。